積極的な熱処理技術革新
当社の主な業務は、鉄鋼を主体とした金属の素形材や製品に対する熱処理加工。コンパクトな工場ながら、一般的な金属熱処理のほぼ全てに対応可能です。自動車・建設機械など様々な分野で、当社の加工・製造品は使用され、製品の安全性、性能、信頼度向上などに貢献しています。
高濃度浸炭焼入れ
1台に数万点の鋼のパーツが必要な自動車部品の中でも、高強度を要する自動車の駆動系焼結部品に、「高濃度浸炭焼入」という先端技術を日本で初めて実現したのも私たちです。
新技術「ハイパーレスQ」の開発
高性能工業炉を使った次世代型ハイブリッドシステム「ハイパーレスQ(商標登録)」は、超高強度化と極低歪を同時に実現する、高濃度(CD)浸炭および減圧制御焼入れを含む、新技術のハイブリッド焼入システムです。高機能・高付加価値製品つくりへの需要にお応えいたします。
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航空宇宙分野へ
日本のものづくりを支えているのは、長年にわたって技術を磨いてきた私たちだという自負を持ち、常に新しい技術を追い求めて、これからも積極的に技術革新に取り組んで行きます。
熱処理加工の種類
一般熱処理
製品や部品を加熱・冷却して全体の体質を改善する熱処理。
焼入れ | 鋼を硬くする熱処理。800℃以上の高温に加熱した鋼を急速に冷やします。 |
焼戻し | 焼入れをした硬く脆い材料に粘りを与えたり、耐摩耗性を向上させるために行う熱処理です。 |
焼ならし | 鋼を標準状態にする熱処理。鋼は適当な硬さになります。摩耗に強く、被切削性も向上します。 |
焼なまし | 鋼を柔らかくする熱処理。適当な温度に加熱した後、できるだけゆっくり冷却して行います。 |
表面熱処理(表面硬化法)
一般熱処理に化学的技術を応用し、進化させた熱処理。
浸炭 | 低炭素鋼の表面に炭素を染み込ませて高炭素鋼とし、さらにこの鋼を焼入れして表面を硬くする熱処理です。 表面は硬く圧縮の残留応力を持ち、内部はじん性が高いので、強靭で耐摩耗性の高い特性を与えられます。 |
窒化 | 鋼の表面に窒素を染み込ませる熱処理。鋼に窒素が入るとそれだけで硬くなるため、その後の処理は不要です。 主に耐摩耗性と対疲労性が向上します。 |
高周波焼入れ | 鋼の表面を電磁誘導加熱し、焼入れ硬化する熱処理。鋼の表面だけが硬くなり、摩擦や疲労に対して強化されます。 主に鋼の任意の表面や部分を焼入れする場合に行います。 |
炎焼入れ | 硬化を必要とする部分だけを、アセチレンと酸素の混合気体の燃焼によって急速に加熱・冷却する熱処理です。 直接高温の炎を当てて加熱するので、部分焼入れが可能です。 |
熱処理対象と加工材料
熱処理対象 | 材料(素形材)/部品(製品) |
取扱い 加工材料 |
構造用鋼/工具鋼/アルミ/チタン/ステンレス鋳鋼/銅/磁性材料 |
熱処理後の検査
納品前の検査は、要求される部品の精度に合わせて行います。シャフトなどに歪みが生じた場合の矯正も行います。
表面硬度 | ロックウェル硬度検査 ショア硬度検査 ブリネル硬度検査 マイクロビッカース硬度検査 |
内部硬度 | ロックウェル硬度検査 マイクロビッカース硬度検査 |
浸炭深度 | マイクロビッカース硬度検査 |
歪み | ダイヤルゲージ、目視(有資格者) |
組織 | 電子顕微鏡 |
外観 | 目視点検(色/ムラ/割れ/キズ) |
曲り矯正プレス、ショットブラスト、磁粉探傷機、各種検査機器